昨日の、ステライメージ、Photoshopを使用した本格「新星景写真」ですが、流行りの2値マスクを作成した手法は採用していません。世間の2値マスク化による地上風景の分離は、あたかも魔法を使うがごとく、簡単な操作で美しく分離するように語られていますが、実際はかなりの微修正が必要で、地上との明るさの差異から、境界の合成は比較明でも上手くいかないことも多いです。
なら、超高性能になったオブジェクト選択ツールを駆使し、最初からシンプルにマスク切った方が、手間も大差ないし、良いのでは?というのが私の現在のところの見解です。また良い方法が見つかればレポしますね。
ということで、一応、補足として、2値マスクの作り方についてはこんな感じです。
- 画像の読み込み
Photoshopを起動し、加算平均合成の地上用写真、1枚の境界用写真、加算平均合成の星空写真、比較明合成の星空写真の4枚を読み込みます。 - レイヤー間の位置合わせ
・境界用レイヤーと加算平均レイヤーのみ表示して、星の位置を合わせます。片方のレイヤーの描画モードを「差の絶対値」することで、重なっていれば黒になるので、星空ができるだけ真っ黒になるようにレイヤーを微調整します。
・境界用レイヤーと加算平均レイヤーの星の位置合わせができたら、加算平均レイヤーと比較明レイヤーも同様に合わせます。
この時、加算平均レイヤーを動かしてしまうと、せっかく合わせた境界用レイヤーとの位置がズレてしまうので、比較明レイヤーを動かして合わせることに注意。
境界用、加算平均、比較明の星の位置合わせが終わったら、すべてのレイヤーのレイヤーの描画モードを「通常」に戻します。 - 地上の作成
・地上用レイヤーを複製し、「マスク」と名前を付けておきます。
「マスク」のみを表示、選択し、チャンネルパレットに切り替え、レッド、グリーン、ブルーをそれぞれ確認し、一番明暗差のあるチャンネルを複製します。
「イメージ」→「色調補正」→「レベル補正」をクリックします。
・入力レベルのシャドウとハイライトを中央に切り詰め、空と地上の境界を分離させます。
この時、地上風景が飛んでしまわないように、また空と地上の境界が黒つぶれしないポジションを選択します。・白っぽくなった境界付近の地上部分を焼きこみツールで暗く、黒っぽくなった境界付近の星空部分を覆い焼きツールで明るくします。
また、境界以外の地上で白くなった部分はブラシで黒く、境界以外の星空で黒くなった部分はブラシで白く塗ります。・「イメージ」→「色調補正」→「2階調化」をクリックし、地上と星空が分離するしきい値を設定します。
・レイヤーパレットに切り替え、地上用レイヤーを表示、選択し、パレット下の「レイヤーマスクを追加」をクリックすると、地上部分だけが切り抜かれます。 - 星空上空の作成
- 加算平均レイヤーを表示し、地上を消しゴムツールで消去します。境界部分は別のレイヤーを合成するため、少し星空が消えても良いので地上部分は残さないようにします。
- 境界の作成
・ここまでの作業で地上と星空ができましたが、表示してみると、4.で星空を小さめに切り抜いているので境界部分がありません。そこで、境界用レイヤーまたは比較明レイヤーのどちらかを表示し、自然な方を確認します。
今回のように地上の方が星空より明るい場合は、比較明で星空部分に地上部分が写っているので、境界用レイヤーを採用します。もっと暗いロケーションの場合は、比較明の方がS/Nが良いので、不自然でなければ比較明を優先した方が良いでしょう。
境界用レイヤーを採用する場合は、1枚絵なので上空とノイズ感を揃えるため、必要に応じて、Camera RAWフィルターで強めのノイズリダクションをかけておいた方が自然に見えます。地上と星空を表示したところ、境界部分がありませんね…
比較明:地上が写って不自然 → 不採用境界用:比較明より自然だが、境界部分だけ妙にノイズが多いCamera RAWフィルターでノイズリダクション処理後
自然さが増し、境界がより分かりにくくなった
これで合成処理は完了です。あとは、1枚撮りと同様に好みのレタッチをかけて出来上がりです。ノイズが少なく、レタッチも強めにかけても破綻しにくいため、好きに仕上げてみましょう。
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